世界最大級の暖房・空調ビジネス統合で、Boschは「エネルギー転換の主役」へ
Boschは、住宅や小規模商業施設向けの空調事業で大きな一歩を踏み出します。Johnson Controlsの空調事業を買収し、さらにHitachiとの合弁会社「Johnson Controls-Hitachi Air Conditioning(JCH)」を完全子会社化することで、BoschのHome Comfort事業は売上規模90億ユーロ、従業員2万6,000人以上という巨大組織に成長します。
今回の買収は、BoschのStefan Hartung CEOが「Bosch史上最大の取引」と語るほどの重要な動き。アメリカではダクト式空調、アジアではダクトレスやVRFシステム(ビルなど大規模施設向けの空調)を中心に展開し、世界市場での存在感を一気に高めます。
背景には、化石燃料を使う従来の暖房からヒートポンプやハイブリッドシステムへのシフトという大きな流れがあります。Boschはこの分野での成長を見込み、特にアメリカで50%以上、ヨーロッパでも30%の市場拡大を予測しています。
Bosch Home Comfort GroupのJan Brockmann氏は「すでにヨーロッパの暖房分野で強い基盤がある。これからは世界規模で空調事業を伸ばしていく」と自信を見せています。まさに、エネルギー転換のカギを握る存在になりそうです。
キーワード
エネルギー転換
石油やガスなどの化石燃料から、再生可能エネルギーや省エネ技術への移行を指す。Boschの買収はこの動きを後押しする可能性がある。
ヒートポンプ
空気や地中の熱を利用して効率よく暖房・冷房を行う仕組み。電気で動くため、CO₂排出削減にもつながる。欧州を中心に急速に普及中。
VRFシステム(Variable Refrigerant Flow)
ビルやホテル向けの省エネ空調。複数の室内機を一台の室外機で柔軟に制御できるのが特徴で、運用コストも下がる。
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