- 中国の冷媒市場は年末にかけて価格を維持しつつ在庫調整を実施中
- R22やR125などは割当逼迫により出荷制限・価格据え置き傾向
- R32・R410aは空調需要の高まりで価格回復
- R143aは供給集中による価格急騰
- 2024年は需給バランスが鍵となり、価格は高止まりが継続見込み
主要メーカーが年末に向け出荷制限、2024年は供給逼迫と価格高止まりの構図に
2023年末、中国の冷媒市場は安定的ながら慎重な動きを見せています。主力メーカーは在庫を積み増しつつ、価格を下げる姿勢を見せていません。2024年に向け、冷媒ごとの供給競争が鮮明化する見通しであり、特に生産配分(割当)と需給バランスの変化が市場に大きな影響を与えると予測されます。
一部メーカーはすでに受注停止措置を取っており、供給絞り込みによる価格維持戦略が強まっています。
💡冷媒別の市場動向(2023年12月時点)
■ R22(HCFC)
- 価格帯: ¥19,000~19,500/トン
- 動向: 国内外のバランスは維持されているが、国内割当枠が逼迫。多くのメーカーが既に年間割当を使い切っており、新規出荷制限中。
■ R134a
- 価格帯: ¥27,000~28,000/トン
- 動向: 基本的な需要は続くが、国内・輸出ともに市場回復の兆しは限定的。価格は横ばい圏で推移。
■ R125
- 価格帯: ¥27,000~29,000/トン
- 動向: 生産割当の不足見通しがあり、供給業者は値下げを拒否し、利幅維持に注力。
■ R32
- 価格帯: ¥17,000~17,500/トン
- 動向: 過去の低価格ゾーンは解消され、空調メーカーの入札増加により需要が回復基調。
■ R410a(混合冷媒)
- 価格帯: ¥21,000~21,500/トン
- 動向: 原材料であるR32とR125の価格変動が影響。供給価格の安定を模索中。
■ R143a
- 価格帯: ¥32,000/トン
- 動向: 割当が少数企業に集中し、価格急騰。国内での供給不足が顕著で、メーカー側は販売制限中。
🔍 市場の見通しと戦略的ポイント
- 2024年初頭の供給逼迫を見越し、メーカーは価格維持と在庫保全に注力
- 割当制度による輸出制限と国内優先供給が価格の底支えに
- 空調業界の需要動向が、R32/R410a市場に波及
- 為替や原材料価格変動に加え、国際的なHFC規制強化も注視ポイント