- JCIが非商業向け製品ライン(住宅用HVACなど)の戦略的見直しを開始
- Yorkや日立との合弁、風量調整技術などが対象になる可能性
- 全体売上の約25%を占める領域であり、売却や再編も視野
- OpenBlueやスマートビルディング事業への集中が背景
- 長期的な持続可能性・株主価値最大化を目的とした構造転換の一環
住宅・非商業HVAC事業が対象か──OpenBlueとスマートビルディングに集中する成長戦略の一環
2024年2月1日、ジョンソンコントロールズ・インターナショナル(JCI)は、第1四半期決算発表の中で、「非商業向け製品ラインに関する戦略的選択肢の検討を開始した」と明言しました。CEOのジョージ・オリバー氏は、「株主価値の最大化を目的としたポートフォリオ見直しの一環」として、同事業の将来的な方向性を評価していると述べました。
■ 対象とされる可能性のある事業領域:
- York International(ヨーク)ブランド製品
- Air Distribution Technologies(風量調整技術)
- 日立との合弁事業(住宅向け空調など)
これらはすべて非商業(住宅または小規模施設向け)セグメントに該当し、全体売上の約25%を占めると推定されています。
■ CEOコメント:
「これらは良好な事業であるが、当社の長期戦略と整合するかを見極めている。新たな株主価値創出の機会を模索したい。」
売却や分社化などの具体的手段については未発表ながら、市場では部分的な売却やパートナーシップ再構築の可能性も取り沙汰されています。
■ 背景:OpenBlueへの集中と事業再編の潮流
今回の検討は、JCIが重点を置く**「OpenBlue」スマートビルディング・プラットフォーム**への集中強化を背景としています。同プラットフォームは、エネルギー効率、安全性、健康性を高めるデジタルソリューションであり、企業向け施設管理の中核となる事業です。
これにより、JCIは今後の成長ドライバーを以下の領域に絞る意向を示しています:
- ソフトウェアとデジタルサービスの強化
- ESG対応のスマートビルディング構築
- 大規模施設向け統合HVAC・セキュリティ・自動化の提供
■ 業績ハイライト(2024年Q1)
- 売上高:61億ドル
- 詳細は非開示ながら、非商業部門は25%前後と推定される
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