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化石燃料ボイラー廃止へ加速──欧州各国の最新動向まとめ(2024年版)

  • 欧州では建物部門の脱ガス・脱石油が急加速中
  • ドイツ・オーストリア・フランスなどがボイラー禁止政策を実施または予定
  • 欧州委員会は2029年までの独立型化石燃料ボイラー全廃を提案
  • EHPAは「ヒートポンプが最も現実的で迅速な脱炭素手段」と強調
  • 補助金・法規制・建築基準強化を組み合わせた政策設計が広がる見通し

90万台のガス・石油ボイラーが稼働中──気候危機とエネルギー安全保障の両面から熱源転換が急務に

2023年が観測史上最も暑い年として記録され、ロシア・ウクライナ戦争による化石燃料価格の変動と供給不安が続く中、欧州の建物部門の脱ガス・脱石油への動きが加速しています。欧州の建物はエネルギー需要の40%温室効果ガス排出の36%を占めており、その中心には9,000万台を超えるガス・石油ボイラーの存在があります。

これに対し、EHPA(欧州ヒートポンプ協会)は、「ヒートポンプはほぼすべての建物で使用可能なゼロエミッション技術であり、化石燃料からの移行を進める鍵」と強調。**欧州委員会が提案する「2029年までの独立型化石燃料ボイラー廃止」**を支持しています。


🗺 最新マップで見る:欧州におけるボイラー禁止政策(2024年1月時点)

EHPAは現在、ガス・石油ボイラーの禁止・段階的廃止を発表している国をマップで可視化しています。特に注目すべき国の動向は以下の通りです:


🔥 ガス・石油ボイラー禁止を法制化/予定している主な国:

国名新築対象既存建物対象開始年または目標年
ドイツ新築・大規模改修2045年までに全廃目標2024年~(段階的施行)
オーストリア新築・既存(段階的)石油ボイラー:2035年廃止2023年~(補助金あり)
フランス新築ガス禁止2022年~
オランダ新築でハイブリッド必須化2026年~
ベルギー(フランデレン)新築はヒートポンプ必須2023年~
ノルウェー全石油暖房禁止(既存含む)実施済(2019年~)
デンマーク新築での化石暖房禁止2013年~(先駆国)
イギリス新築でガスボイラー禁止予定2025年~(目標)

🔧 対象とされている施策内容:

  • 新築住宅でのガス/石油ボイラー禁止
  • 既存住宅への設置更新制限や補助金制度
  • 低炭素熱源(ヒートポンプ・地域熱供給等)への転換支援
  • EU建物性能指令(EPBD)に基づく最低基準と段階的全廃指針

✅ なぜ今、ヒートポンプが求められるのか?

  • 再エネ電力で駆動するためCO₂排出ゼロ
  • ボイラーの3~5倍のエネルギー効率
  • 冷房・暖房・給湯を1台で実現可能(住宅最適解)

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