- Bosch Sensortecが超小型のPMセンサー「BMV080」を発表、従来の450分の1サイズ。
- ファンレス設計で高信頼性・低消費電力・静音性を実現。
- ウェアラブルやスマート家電に搭載可能で、個人の空気質モニタリングが現実に。
個人の空気環境をリアルタイムに見える化する革新的センサー
Bosch Sensortecは2025年、世界最小の粒子状物質(PM)センサー「BMV080」を発表した。サイズはわずか4.4mm x 3.0mm x 20mm(フレキシブルPCBコネクタ含む)で、従来のPMセンサーに比べて450倍以上も小型。この革新により、これまでセンサーサイズの制約で実装が困難だったウェアラブル機器やポータブルデバイスにもPM測定機能が搭載可能となった。
BMV080は、PM2.5の質量濃度をリアルタイムで高精度に測定でき、さらにPM1およびPM10のデータも取得可能。光学式の測定技術により、ファンや特別な空気流路を必要とせず、自由空間中の粒子を検出する。これにより、ファンの故障リスクの排除、静音性、低消費電力、そして防水設計などの柔軟な工業デザインが実現されている。
空気中の微粒子は人の肺深部まで到達し、健康への影響が懸念されている。世界人口の約99%が健康基準を満たさない空気を吸っているとされており、個人レベルでの空気質モニタリングの重要性が高まっている。BMV080の登場により、空気清浄機やスマートサーモスタット、空調システム、そしてウェアラブルデバイスなど、幅広い用途での実装が期待されている。
主な仕様:
- 測定範囲:0~1,000 µg/m³
- 精度:0-100 µg/m³で±10 µg/m³、101-1,000 µg/m³で±10%
- 最大出力データレート:0.97 Hz
- 動作電流:平均68 mA未満(0.97 Hz時)
キーワード
- PM2.5:直径2.5マイクロメートル以下の粒子で、肺の奥まで到達し、健康への影響が懸念されている。
- ファンレス設計:可動部品を排除することで信頼性を高め、静音かつ省電力を実現する設計思想。
- ウェアラブル空気質センサー:個人が常時装着できる空気質測定機器で、健康管理や環境モニタリングへの応用が進む。