- Q1売上は11億ドル(+2%)で成長維持も、利益率は関税と製品移行で圧迫
- 住宅向け部門は価格戦略と製品ミックスにより+7%成長
- 商業部門は工場効率悪化と移行コストで–6%、利益は–32%
- EPSは–3%の$3.37、フリーキャッシュフローは–$61M
- 年間売上予想は+2%維持、低GWP冷媒対応と価格調整が今後の鍵
住宅向けソリューションが7%成長で全体を牽引──マージン圧迫の中でも価格戦略と需要安定で持続的展望
米国ダラス発—Lennox International Inc.(NYSE: LII)は、2025年第1四半期決算を発表し、売上は前年同期比2%増の11億ドルに達しました。住宅向け空調ソリューション「Home Comfort Solutions」部門が7%の成長を記録し、全体を牽引した一方で、関税・低GWP冷媒への移行コスト・生産効率の悪化により利益率は圧迫されました。
■ 主要指標ハイライト:
- 売上: $1.1B(前年比+2%)
- 営業利益: $156M(–7%)
- 純利益: $120M(前年比–3%)
- EPS(1株利益): $3.37(–3%)
- セグメント利益率: 14.5%(–140bps)
CEOアロク・マスカラ氏は、「Lennoxの交換需要に基づく北米戦略は依然として堅調。価格調整により、コスト上昇と供給網の不安定性に対応している」と述べました。
■ セグメント別動向:
▶ Home Comfort Solutions(住宅向け):
- 売上: $721M(+7%)
- 利益: $117M(+4%)
- 利益率: 16.2%(–40bps)
→ 価格戦略と製品ミックスが成長を牽引、ボリュームは横ばいながら需要は安定
▶ Building Climate Solutions(商業向け):
- 売上: $351M(–6%)
- 利益: $54M(–32%)
- 利益率: 15.2%(–580bps)
→ 冷媒転換のタイミング・関税コスト・工場立ち上げの非効率性が重しに
■ キャッシュ・投資状況:
- フリーキャッシュフロー: –$61M(前年同期は–$52M)
- 自社株買い: $85M
- 設備投資: $25M(年間予定:$150Mを維持)
Lennoxは、年間売上成長見通し2%を維持しつつ、EPSガイダンスを$22.25~$23.50に調整。冷媒規制対応に伴うコスト圧力への対応として、今後も価格戦略を軸に収益性確保を目指します。