あらゆるデバイスから建物全体の空調効率を最適化。最大45％の稼働削減と高い投資対効果を実現
2025年7月23日、コープランド（Copeland）が、エネルギー効率向上を目指した「Verdantサーモスタットマネージャー」の大幅リニューアルを発表しました。この新しいソフトウェアプラットフォームは、ホテルや集合住宅（MDU）の空調管理をよりスマートかつ柔軟にし、ビルオーナーや施設管理者が複数の物件を一括で管理できるよう設計されています。
最大の特長は、「どのデバイスからでもアクセス可能」で、複数の建物を地図上で一覧管理できるインターフェース。エネルギー消費傾向、稼働データ、コスト削減効果などがリアルタイムで表示されるカスタマイズ可能なダッシュボードにより、システム全体の健康状態を直感的に把握できます。
さらに、空室状態の部屋の温度設定やアラート管理も一括操作が可能になり、VIP対応やゲスト滞在段階に応じた温度制御など、柔軟な運用が可能。建物内の温度設定やエネルギープロファイルを複数まとめて調整できる「バルク操作」により、大規模施設の管理負担を大幅に軽減します。
従来の複雑なHVACとの連携とは異なり、Verdant製品は既存のシステムに「プラグ＆プレイ」で導入できるシンプルさも魅力。配線のやり直しや大規模な改修工事は不要で、最小限の投資で最大限の省エネ効果を期待できます。
コープランドはこれまでに北米とヨーロッパで200万室以上のホテルにVerdantソリューションを提供しており、その効果はすでに実証済み。HVAC稼働時間を最大45％削減する試験結果も得られています。
重要キーワード３つの解説
- Verdant Thermostat Manager（ヴァーダント・サーモスタット・マネージャー）
コープランドが提供する統合型の温度管理ソフトウェア。ホテルやMDUにおいて、部屋ごとの温度制御、空調設備の状態監視、エネルギー使用の最適化などを一元的に行える。最新版ではモバイルやPCなど、あらゆるデバイスから操作可能で、ユーザー体験が大幅に改善された。 - HVAC Runtime Reduction（HVAC稼働時間削減）
Verdantシステムは、AIとセンサーを活用した「省エネモード」で、空調機器の稼働時間を最大45％削減。これにより電気代削減だけでなく、機器の寿命延長にも寄与。設備の効率化とメンテナンスコストの抑制が同時に実現できる。 - CA Title 24・NY LL97・IECC対応
アメリカで求められる環境・省エネ関連法規（カリフォルニアの建築基準法「Title 24」、ニューヨーク市の「Local Law 97」、国際エネルギー保存規格「IECC」など）に適合。将来的な規制強化にも対応可能な柔軟設計で、新築・既存物件を問わず安心して導入できる。
今後の展開とインパクトの可能性
Verdant Thermostat Managerの進化は、省エネと快適性、運用効率をすべて両立させるソリューションとして、ホテル業界や集合住宅市場の“デファクトスタンダード”となる可能性を秘めています。
政府規制の強化や脱炭素社会への移行が進むなか、こうしたスマート制御プラットフォームはもはや“便利”ではなく“必須”。ユーザーにとっても、投資回収が早く、継続的に運用コストを削減できる点で魅力的です。
「管理をスマートにすることで、エネルギーも未来も守る」——Verdantは、まさにその理念を体現する一歩先の空調管理ツールと言えるでしょう。