暑い地域にも対応するスマート空調技術の開発が加速
LGエレクトロニクスは2025年7月7日、サウジアラビアに熱帯気候対応のHVAC(暖房・換気・空調)試験施設を設立する計画を発表しました。この取り組みには、キングサウード大学(KSU)、釜山大学(PNU)、そしてサウジの空調市場で実績のあるShakerグループが参加し、学術・技術の連携体制を構築します。
この新施設では、実際の熱帯環境下でのデータ収集と製品検証が行われ、LGが開発中の高温対応型空調製品「Multi V」や壁掛け型エアコンの性能と信頼性をチェックします。また、AIエンジンの熱帯対応機能のテストも予定されています。
LGはすでに2024年に、寒冷地向けヒートポンプの研究施設を米国、欧州、中国に開設しており、今回の施設は熱帯地域に特化した初の試験所となります。KSUとPNUは研究の中心となり、実験環境の提供とデータ解析を担当。Shakerは設備設置とモニタリング支援を行います。
この研究によって得られた成果は、地域の学会などで発表され、将来的により効率的で知能的な熱帯向け空調システムの開発が進むことが期待されます。
重要キーワード3つの解説
- HVAC(暖房・換気・空調):室内の温度や空気の質を調整するための設備で、住宅や商業施設に広く使用されている。
- 熱帯気候向け技術:高温多湿な地域でも快適な空間を保つために、特別に設計された冷却・換気技術。
- 実環境データ:現地の気候条件下で得られる情報で、製品の信頼性や性能改善に役立つ。