快適性と省エネに加え、分散型エネルギー資源としてピークシフトや再エネ統合に貢献
2025年9月17日、Carrier Global Corporationは米国で家庭向け蓄電池搭載型HVACシステムの実証試験を始めました。高効率の可変速ヒートポンプと家庭用バッテリーを組み合わせ、需要の高い時間帯の電力使用を抑え、余裕のある時間にシフトさせる仕組みです。
背景には、米国で進む電力網の老朽化、猛暑による需要増、データセンターの急拡大があります。Carrierは、住宅を分散型エネルギー資源(DER)として活用する可能性を検証し、電力会社やEPRIと連携してデータを収集しています。
北米には約3,000万台のCarrier製HVACが設置されており、その潜在的な調整力は100GW以上と試算されています。空調を「快適性の提供者」から「エネルギー資源」へと進化させる今回の試みは、電力網の柔軟性と強靭性を高める大きな一歩といえます。
重要キーワードの解説
- HVAC:暖房・換気・空調システム。
- DER(分散型エネルギー資源):住宅や小規模設備に分散設置される太陽光・蓄電池・EVなど。
- ピークシフト:電力需要の多い時間を避け、消費を夜間などに移す手法。