カリフォルニア州、FRIP助成金第2ラウンドで6,500万ドルを投入

  • カリフォルニア州大気資源局(CARB)がFガス削減支援制度FRIPの第2期募集を実施
  • 冷媒量50ポンド超のシステム更新に3,850万ドルを割当、超低GWP冷媒への転換を支援
  • 大型チェーン店や中小店舗、産業用冷凍施設向けに分野別助成枠を設定

Fガスから自然冷媒への転換を促す気候対策助成が本格拡大

カリフォルニア州大気資源局(CARB)は2024年10月、Fガス削減インセンティブ制度(FRIP)の第2ラウンドの申請受付を開始しました。申請期間は2025年1月31日までで、総額6,500万ドル(約58.2百万ユーロ)が割り当てられました。

対象は以下の3分野:

  1. 食品小売冷凍
  2. 産業用プロセス冷却
  3. 冷蔵倉庫およびその他の冷凍機器

主な助成内訳:

  • 冷媒量50ポンド(約23kg)超のシステム:3,850万ドル
  • 50ポンド以下の機器:200万ドル
  • 対象分野未定の枠:1,800万ドル
  • 管理費用:650万ドル

助成対象の最低条件

  • 小売冷凍:既存機器のGWPが1,300超
  • 産業プロセス冷却:GWPが1,800超かつ冷媒量2,000ポンド(約907kg)以上
  • 冷蔵倉庫:GWPが1,800超かつ冷媒量1,000ポンド(約454kg)以上

支援対象冷媒:GWP10未満の超低GWP冷媒(CO₂:GWP3、プロパン:GWP1、アンモニア:GWP0)を採用した機器への更新が条件です。

企業別助成額の内訳:

  • 大規模チェーン(20店舗以上):1,820万ドル
  • 小規模小売(20店舗未満):1,230万ドル
  • 産業用冷凍設備:500万ドル
  • 冷蔵倉庫・その他:300万ドル

助成額は更新方式によって異なり、システム全体更新が最も高額、部分更新は低額となります。

第1期(2020年開始)では、100万ドルの助成で15件の導入を支援(主にCO₂システム)、1トンのCO₂削減あたり27ドルと極めて費用対効果の高い制度として評価されました。これに比べ、他の州内環境施策(都市緑化:2,614ドル、地域太陽光:204ドル)ははるかにコスト高です。

FRIPは、2030年までにHFC排出を2013年比40%削減する州目標に向け、冷媒転換の加速に寄与しています。

キーワード

  1. FRIP(F-gas Reduction Incentive Program):Fガスの使用削減を目的としたカリフォルニア州の助成制度。
  2. GWP(Global Warming Potential):温暖化への影響度を示す指標。GWPが低いほど環境負荷が少ない。
  3. 超低GWP冷媒(Ultra-low-GWP Refrigerants):GWPが10未満の自然冷媒(CO₂、アンモニア、プロパンなど)が該当。
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