ヨーロッパのヒートポンプ市場:
2022年において、フランスは他のEU諸国と比較して最も多くのヒートポンプを購入・設置し、合計で621,776台のヒートポンプが設置されました。これに対して、イギリスの2022年の販売台数は55,168台となっています。ヒートポンプは脱炭素化の目標に対して大きな貢献を果たしており、ヨーロッパ全体でのヒートポンプの設置推定数は約20百万台、そのうち3百万台は2022年だけの販売数です。特に、スカンディナビアやバルトのEU諸国は家庭でのヒートポンプの採用率が高く、ノルウェーでは60%、スウェーデン43%、フィンランド41%、エストニア34%となっています。そして、2030年までにさらに60百万台のヒートポンプを設置する計画も進行中です。
アメリカのヒートポンプ市場:
アメリカもヒートポンプ市場の重要な地域であり、2022年にはガス炉よりも多い4.3百万台のヒートポンプが販売・設置されました。2020年時点でのアメリカの住宅用ヒートポンプ市場は130億ドルと評価され、2021年から2030年までの年間複合成長率(CAGR)は5%と予測されています。さらに、2022年には空気源ヒートポンプの販売が11%増加し、長期的な観点から見ても、2001年の販売台数144万台から2021年の販売台数392万台へと大きく増加しています。
中国のヒートポンプ市場:
中国はヒートポンプの大手生産国として位置づけられ、世界のヒートポンプの40%を製造しています。2020年時点での中国内でのヒートポンプの設置数は5840万台に上り、この数字は世界のヒートポンプの33%を占めています。さらに、2021年には空気源ヒートポンプの販売が7%増加し、約1250万台が稼働中です。
グローバルな市場の状況:
主要メーカーは業界の成長と政策の支援を受けて、2030年までにヒートポンプの販売を3倍にすることを目指しています。特にヨーロッパにおいて、ヒートポンプの生産および関連活動の拡大のための40億ドル以上の投資が予定されています。2022年にはヒートポンプの全体的な販売が11%増加し、イギリスのヒートポンプ産業と市場も急速に拡大していることが観察されており、これにより住宅および商業施設の脱炭素化がより実現可能となってきています。
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