Duro DyneやSupcoを傘下に、部品・用品事業を拡大し北米HVAC市場での存在感を強化
2025年8月18日、テキサス州ダラス――エネルギー効率の高い空調ソリューションで知られるレノックス(Lennox, NYSE: LII)は、NSIインダストリーズのHVAC部門を約5億5,000万ドルで買収する正式契約を締結したと発表しました。この部門には、Duro DyneやSupcoといった信頼あるブランドが含まれており、HVAC業界で重要な部品・アクセサリーを提供する存在です。
今回の買収により、レノックスは北米全域でのデジタルおよび流通ネットワークを強化し、住宅用・商業用の両市場において部品と用品を含む包括的なポートフォリオを提供できる体制を整えます。CEOのアロク・マスカラ氏は、「この買収は、顧客に対して製品のライフサイクル全体を支えるソリューションを提供する能力をさらに高め、HVAC業界におけるワンストップパートナーとしての地位を強化するものです」とコメントしました。
Duro Dyneは長年にわたりHVAC/R向けの重要部品を製造するリーディングメーカーとして知られており、Supcoは現場の技術者向けに高性能な部品を供給してきました。これらのブランドを取り込むことで、レノックスの既存製品と強力に補完し合い、顧客への価値提案が一層高まると期待されます。
また、NSIインダストリーズHVAC部門のプレジデントであるジョン・マクアリー氏は「レノックスのリソースを得ることで、私たちが70年以上にわたり築いてきた成功の歴史をさらに発展させることができるでしょう。両社の文化は革新と卓越性を重視しており、今後の成長に大きな相乗効果をもたらすはずです」と述べています。
買収の完了は2025年第4四半期を予定しており、規制当局の承認を経て正式に実施されます。今回の戦略的買収は、レノックスが130年にわたり築いてきたイノベーションの歴史に新たな章を加え、北米HVAC市場における顧客体験とサービスの進化を加速させることになりそうです。
重要キーワード3つの解説
- Duro Dyne:HVAC/R部品・アクセサリーの分野で市場をリードするメーカー。長年にわたり業界に不可欠な製品を供給してきた。
- Supco:技術者向けに高性能なHVAC部品を提供するブランド。現場での信頼性が高く、幅広い用途に対応。
- ワンストップパートナー:製品から部品・アフターサポートまで一貫したソリューションを提供する企業の立場。レノックスは今回の買収でこの位置づけをさらに強化する。
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