奨学金・トレーニング・表彰制度で全米の人材不足解消を後押し
Carrier Global Corporationは、米国全体で深刻化するHVAC技術者不足に対応するため、TechForce Foundationとの新たなパートナーシップを発表しました。TechForceは自動車や航空など多分野の技術者育成を支援してきた非営利団体で、今回初めてHVAC分野へ活動を拡大します。
米国労働統計局によると、今後10年間で40万件以上のHVAC技術者の求人が見込まれており、引退者の増加と需要拡大が重なることで人材不足は一層深刻化すると予測されています。データセンターや産業施設、大規模インフラの急速な成長が背景にあり、Carrierはこの課題に対し、投資・外部連携・教育プログラムを組み合わせた包括的な取り組みを進めています。
今回のプログラムでは、奨学金の提供、Carrierオンライン研修の無償開放、TechForceの7万人を超える学生・技術者ネットワークとの連携が含まれます。さらに、優秀な技術者を表彰する「Techs Rock Awards」に新たにHVAC・Homes & Buildings部門を設置し、業界全体のモチベーション向上を目指します。
Carrierの会長兼CEOであるDavid Gitlin氏は、「次世代のHVAC人材に投資することは、業界の人材不足を解決するだけでなく、持続可能で知的な気候・エネルギーソリューションを顧客に届け続けるために不可欠」と述べています。
TechForceのCEO、Jennifer Maher氏も「HVAC分野をTechForceの取り組みに迎えることをうれしく思います。Carrierとの連携は、学生にキャリア形成のための奨学金や研修、認知機会を提供し、業界の人材不足解消に大きく貢献するでしょう」とコメントしました。
この取り組みは、Carrierの成長戦略と競争力強化に直結し、業界全体の持続的な発展に大きなインパクトを与えると期待されます。
重要キーワード3つの解説
- TechForce Foundation:米国の非営利団体で、技術系職業のキャリア支援と人材育成を行う。今回初めてHVAC分野に進出。
- HVAC Technician Shortage:今後10年間で40万件以上の求人が見込まれる全米規模の技術者不足。業界全体の成長を妨げる要因。
- Techs Rock Awards:優秀な技術者を顕彰するプログラム。今回新設されるHVAC部門は若手人材のモチベーション向上を狙う。
その他の記事
-
HVAC技術者不足問題に対し、CarrierがTechForceと新育成プログラムを始動
-
Carrier、米国DOE認証を受けた初の10–14トン商用ルーフトップユニットを発表
-
Carrier Japan、新冷媒R-32採用の「Super Multi-u VRF」新モデルを12月発売へ
-
Carrier、冷媒R-454Bをわずか2週間で納品へ ― 数量制限なしの新体制
-
未来のビルを変える、キャリアの新型モジュール式ヒートポンプ登場
-
Carrier社、第2四半期2025年決算で好調を報告 ― 売上・利益ともに成長
-
冷凍・空調分野の未来へ:IIR、各国に「国家冷凍委員会」設立を呼びかけ
-
CarrierのAbound Insights Assistantが進化:AIで設備管理の効率化を実現
-
Carrierの支援で実現する、次世代リーダーの育成 ― FIRST® ロボティクスを通じて