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カリフォルニア州、PFAS規制強化へ HFO-1234yfにも影響か

  • カリフォルニア州のSB 682法案は、2035年からPFASを含む製品の販売・流通を段階的に禁止。
  • 化学業界から激しい反対がある中、自然冷媒支持の声も高まりつつある。
  • 法案成立でHFOなど多くの冷媒が規制対象となり、全米の規制動向に影響を与える可能性。

「永久化学物質」PFASへの対策を強化、冷媒業界も対応迫られる

2025年6月、ATMO Americaサミットにて、NRDC(天然資源防衛協議会)の上級科学者アンナ・リード氏は、カリフォルニア州で審議中のSB 682法案について、化学業界からこれまでにない強い反発を受けていると語った。この法案は、2035年までに意図的に添加されたPFASを含むほとんどの製品の販売と流通を禁止するもので、冷媒用途を含む幅広い分野が対象となる。

法案は2027年から段階的に施行され、最終的に2035年にはHFO-1234yfやHFO-1234ze(E)など、現在多用されているPFAS系冷媒も使用禁止となる。TFA(トリフルオロ酢酸)などの副生成物も含まれ、PFASの定義を科学に基づいて包括的に設定する姿勢が強調された。

リード氏は、冷媒業界の自然冷媒へのシフトに希望を見出しており、より正確な議論のために法案への意見提出を呼びかけている。SB 682法案は、連邦法による先取りや回避困難な用途など一部例外を認めるが、原則としてPFASの全廃を目指している。

同法案の成立は、TFAを含む超短鎖PFASの毒性評価と合わせて、冷媒業界に大きな影響を及ぼすと見られている。2022年のAB 1817やAB 2771のように、カリフォルニア州の規制は他州のモデルとなることが多く、今後の全米的なPFAS規制の方向性を左右する可能性がある。

キーワード

  1. PFAS(ペルおよびポリフルオロアルキル物質):分解されにくく、環境中に長期間残留することから「永久化学物質」とも呼ばれる。
  2. TFA(トリフルオロ酢酸):HFO冷媒の大気中分解によって生成される副生成物で、人体の血液中にも検出されており、潜在的な健康リスクが懸念されている。
  3. 本質的用途基準(Essential-Use Criteria):モントリオール議定書に基づき、代替がなく、機能上必須で、社会的にも不可欠である用途のみを例外とする原則。
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