- 欧州でCO₂システム95,600件、R290冷蔵機器1,700万台に達する
- 北米はCO₂導入が前年比74%増、R290は460万台に拡大
- 日本ではコンビニでCO₂普及率20%、政府補助金が後押し
- ラテンアメリカは自然冷媒導入の土台を形成中、今後に期待
- FガスとPFAS規制がグローバルに自然冷媒転換を加速中
欧州、北米、日本、ラテンアメリカで急拡大──CO₂・プロパン・アンモニアが主役となる冷媒革命が本格化
2024年のATMOレポートは、世界の冷凍・冷房市場が自然冷媒へのシフトを加速している現状を明確に示しました。Fガス規制の強化とPFAS(永続性有害化学物質)への懸念が重なり、CO₂やプロパン(R290)、アンモニアといった低GWP(地球温暖化係数)冷媒が各国で主流化しつつあります。
ヨーロッパではトランスクリティカルCO₂システムの導入数が95,600件と前年比33%増。食品小売を中心に1,700万台のプロパン冷蔵キャビネットが導入され、精度の高い市場データにより、従来の過小評価が修正されました。
北米でも急成長。産業用CO₂システムは前年比74%増となり、食品小売には460万台のR290冷蔵機器が導入されています。米国ではSNAP 26規制やPFAS規制(例:メイン州)が強まり、脱HFCが加速。
日本では政府補助金の拡充により、コンビニでのCO₂冷媒普及率が20%(前年比+6pt)へ上昇。中小企業向け導入も活発化し、産業分野では470件に到達しました。
ラテンアメリカでも基盤が整備されつつあります。食品店でのプロパン機器導入は850万台を超え、トランスクリティカルCO₂は680件以上と、特にエクアドル、コロンビア、アルゼンチンでの採用が進んでいます。
また、オーストラリアとニュージーランドも自然冷媒への移行を強化。オーストラリアでは330店舗(6.6%)がCO₂を採用し、ニュージーランドでは22%の浸透率を記録しています。
今回のレポートは、前年比の成長というよりも、より正確な市場規模の再評価を行ったものであり、特に欧州・北米における自然冷媒の「新たな常識」を示しています。
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