スウェーデンAdsorbi バイオ素材で空気を浄化、商業展開へ大きく前進

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セルロース素材で空気を守る新時代、商業化への一歩

スウェーデンのスタートアップ Adsorbi は、2022年の創業以来、木材由来のセルロースを使った独自の空気浄化素材を開発し、すでに6カ国で実用化を進めてきました。そして2025年8月、同社は初のパイロットプラントをスウェーデン・ヨーテボリに立ち上げました。年間140トンの生産能力を持つこの施設は、製品の産業規模での性能を証明し、さらなる市場展開に向けた重要な拠点となります。

Adsorbiの素材は、屋内だけでなく屋外でも有害な大気汚染物質を吸着し、人々の健康を守る可能性を秘めています。特に、欧州連合が2024年に採択した「大気環境質指令」の改正により、PM2.5や二酸化窒素などの規制が強化された今、環境対応と企業のESG要件を同時に満たせる技術として注目を集めています。

世界保健機関(WHO)によれば、2020年には屋内の空気汚染が300万人以上の死亡原因となり、大気汚染全体では年間670万人が早死にしていると報告されています。こうした背景を踏まえると、Adsorbiの技術は単なる環境対策にとどまらず、人類の健康課題を解決する大きな一手になり得ます。今後は商業規模での展開とパートナーシップの拡大により、化石燃料ベースのフィルターに代わる持続可能な解決策として世界市場に広がっていく可能性があります。

重要キーワード3つの解説

  • Nordic cellulose(北欧セルロース)
    木材由来の天然素材で、Adsorbiの技術の基盤。再生可能で持続可能な資源として注目されている。
  • Ambient Air Quality Directive(大気環境質指令)
    EUが定める大気汚染物質の規制。2024年の改正で基準が厳格化され、企業に対応が求められている。
  • ESG要件
    環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の3要素。企業が投資家や市場から評価される重要な基準であり、Adsorbiの技術は環境対応に直結している。

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