イタリアAermec、R290プロパンヒートポンプを発表 ― 商業・産業向けHVACの新たな選択肢

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持続可能な冷暖房需要に応えるPRM・PRGシリーズ、自然冷媒R290で超低GWPを実現

イタリアのHVACメーカー Aermec が、自然冷媒を使用した新しいヒートポンプを市場に投入しました。今回発表されたのは、PRM air cooled reversible modular heat pumpPRG reversible air/water heat pump の2機種で、いずれも冷媒に R290(プロパン) を採用しています。このR290は地球温暖化係数(GWP)が極めて低く、環境負荷の少ない冷媒として注目されています。

PRMは冷房能力95.6kW、暖房能力101.7kWを備え、最大で9台までモジュール接続が可能です。これにより設計時の柔軟性が増し、将来的な拡張や更新も容易になります。さらに、万一の停止時にもシステム全体の稼働率を維持しやすいという利点があります。

一方のPRGは、冷房能力49.9kW〜146.9kW、暖房能力51.7kW〜144.3kWと幅広いラインナップを揃えています。外気温が冬季の-20℃から夏季の48℃まで対応でき、最大75℃のお湯を供給可能です。そのため商業施設や工場など、幅広い環境での導入が期待されます。

AermecのセールスマネージャーであるDavid Evans氏は、「プロパン製品市場は成長を続けている。これは環境に優しい冷媒需要の高まりと、各国の法規制の変化が背景にある」と語っています。今後は設計者やユーザーへの教育も重要な役割になるとのことです。

日本においても脱炭素の流れが加速しており、高温出力が可能で既存システムにも後付けできるプロパンヒートポンプ は、大規模建物の設備更新や再生可能エネルギーとの組み合わせで大きなインパクトを与える可能性があります。

重要キーワード3つの解説

  • R290(プロパン):自然冷媒の一つで、温暖化係数(GWP)が極めて低い。従来のフロン系冷媒に比べて環境への影響が少ない。
  • モジュール設計:複数台を組み合わせて柔軟に容量を調整できる仕組み。拡張性や冗長性が高く、メンテナンス性にも優れる。
  • 超低GWP:地球温暖化に与える影響を示す指標。R290はこの値が非常に低いため、持続可能な冷暖房技術として注目されている。

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