- ULソリューションズがイタリアに新ヒートポンプ試験ラボを開設
- 欧州で高まるヒートポンプ需要と新環境規制に対応
- 性能・安全・環境面を総合的に評価可能な施設
- 新冷媒(R32、R290など)の可燃性に対する安全試験も実施
- 試験と認証を一体化し、メーカーの市場投入を迅速化
イタリア・カルゲートの新HVACラボが、環境対応型冷媒やEU規制に準拠した性能・安全試験を加速
2025年5月28日、米国イリノイ州ノースブルック発──安全科学を専門とするグローバルリーダー、ULソリューションズは、イタリア・カルゲートにあるHVAC(暖房・換気・空調)試験施設を大幅に拡充し、欧州市場で急成長するヒートポンプ需要と新たな環境規制に対応すると発表しました。
この新ラボは、住宅および商業用のヒートポンプメーカーに対して、エネルギー効率、安全性、エコデザイン評価を含む包括的な試験サービスを提供します。これにより、メーカーは新しい環境対応型冷媒の導入を進めながら、EU規制への迅速な適合が可能になります。
試験内容には、待機・停止時の消費電力評価、熱移動効率、運転音の測定に加え、無線および電磁両立性の試験も含まれます。特に、可燃性を含む新型冷媒(R32、R454B、R290など)に対応した安全評価は、今後の市場展開に不可欠です。
ULソリューションズは、性能・安全試験、マーケティング認証、研究開発支援をワンストップで提供することで、ヒートポンプ製造企業の市場投入までの時間を短縮し、信頼性ある製品開発を支援します。
「欧州におけるこの試験能力の拡充は、HVAC分野における包括的な支援体制の強化を意味します」と、ULソリューションズの副社長アレッシオ・デッラノーチェ氏は述べています。「一か所での統合試験は、メーカーにとって規制対応を簡素化し、製品の迅速な市場投入を可能にします。」
EUの「Fit for 55」計画やエコデザイン規則(ESPR)といった厳格な気候政策のもと、ヒートポンプ産業は持続可能性と安全性の両立が求められています。ULソリューションズは、KEYMARKなどの欧州認証も提供し、メーカーのグローバル展開を支援しています。
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