LG、インドネシアでAIデータセンター冷却事業を拡大へ

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ジャカルタに建設中の大規模AI施設に最新冷却技術を提供、アジアでの存在感を強化

LG Electronicsは、現在ジャカルタで建設が進む大規模AIデータセンターの冷却ソリューション提供企業として選ばれました。この施設は完成後、インドネシア国内で最大級のAIデータセンターとなる予定であり、LGの技術力が高く評価された結果といえます。

今回のプロジェクトでは、チラーや空調機器に加え、建物全体を統合管理するBMS(Building Management System)が導入されます。これにより、施設全体で効率的かつ安定した熱管理が可能となり、AI処理に不可欠な高い稼働率を実現します。

特に注目すべきは、Water-cooled Oil-free Centrifugal Chillerです。LG独自のLeviTech™磁気軸受技術を搭載しており、潤滑油を使わない構造で効率性を高めつつ、振動や騒音も抑制します。さらにAIを活用したサージ保護機能により、予期せぬ停電時でも速やかに復旧できる点が特徴です。環境面でも、低い温室効果係数を持つ冷媒「R1233zd」を採用しており、持続可能な運用を支えます。

この事業は、LG Electronicsだけでなく、LG CNSとインドネシアのSinar Mas Groupとの合弁会社「LG Sinarmas Technology Solutions」が中心となり、“One LG Solution”戦略としてグループの力を結集しています。施設は2026年後半に稼働を開始する予定です。

今後LGは、このプロジェクトを足掛かりに、AIデータセンターの冷却事業を世界規模で拡大し、年間チラー売上を7億2,000万ドルに伸ばす目標を掲げています。アジアを中心に需要が急増するAIインフラ分野で、LGが果たす役割はさらに大きくなるでしょう。

重要キーワード3つの解説

  • One LG Solution
    LGグループ各社の技術やノウハウを統合し、顧客に包括的なソリューションを提供する戦略。今回のジャカルタ事業がその象徴となる。
  • LeviTech™磁気軸受技術
    LG独自のチラー技術で、摩擦を大幅に減らし、振動や騒音を抑制する仕組み。高効率かつ安定した冷却を可能にする。
  • R1233zd冷媒
    温室効果ガス排出への影響が小さい新冷媒。データセンターの成長と環境配慮の両立を目指す上で重要な役割を果たす。

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