- HVAC業界でのR-454B冷媒の供給不足に対応
- Rheemが全ブランドの空調・ヒートポンプユニットに対し冷媒の初期充填量を一時的に増加
- 対象は13.4および14.3 SEER2エアコン、14.3 SEER2ヒートポンプ
- 価格据え置きのまま30フィートの配管にも対応可能に
- 契約業者と流通パートナーへの負担軽減を目的に
供給不足の中でも施工現場への影響を最小限に抑える戦略的対応
Rheem(リーム)は2025年5月22日、HVAC業界におけるR-454B冷媒シリンダーの供給不足に対応し、同社製品の工場出荷時の冷媒充填量を一時的に増加させることを発表しました。対象となるのは13.4および14.3 SEER2のエアコンと14.3 SEER2のヒートポンプで、ブランドを問わず適用されます。
この措置により、設置時に追加の冷媒を補充する必要が減り、30フィートの配管長(3/8インチ液配管)にも標準対応可能となります。従来の15フィート配管からの大幅な拡張です。価格は据え置きとされ、業者へのコスト負担も軽減されます。
Rheemの米国空調部門のケビン・ルペルト上級副社長は、「我々のパートナーを中心に考えた決定」と述べ、現場の混乱を最小限に抑える姿勢を強調しました。
キーワード
R-454B冷媒
環境負荷が低い次世代冷媒で、従来のR-410Aの代替として注目されています。現在、業界全体で供給が逼迫している状況です。
SEER2(季節エネルギー効率比)
空調機器の年間エネルギー効率を表す指標。数値が高いほど省エネ性能が高く、最新の規格が「SEER2」です。
初期充填量(Factory Pre-Charge)
製品出荷時に予め充填される冷媒の量。適切な充填量が施工現場での作業効率や信頼性に大きく影響します。
その他の記事
-
冷媒漏えいの影響を数字で見る—直接排出と間接排出の関係
-
冷媒規制の最前線—モントリオール議定書とEUの独自規制が描く未来
-
冷媒の選択肢と課題—低GWP化と可燃性リスクのバランス
-
EUが進める冷媒機器の販売・サービス禁止強化—輸出規制からヒートポンプ市場まで
-
米ロードアイランド州の水道水の3分の2からTFAを検出:新たなPFAS汚染の実態
-
低GWP冷媒の未来予測—環境・安全・コストを満たす多様な選択肢へ
-
世界で進む冷媒の安全規格強化—可燃性冷媒の受け入れ拡大へ
-
EU、PFAS規制に向け本格検討—環境と健康への影響を巡る動き
-
イオン、2040年までに日本国内の冷蔵設備をすべて自然冷媒へ転換へ
-
中国、車載エアコンの冷媒にGWP150以下を義務化——2029年7月から全面施行へ