Midea、Fortune Global 500で31ランク上昇:世界的テクノロジー企業への進化

  • URLをコピーしました!

10年連続でランク入り、研究開発とグローバル展開が牽引する成長戦略

2025年7月29日に発表されたFortune Global 500で、Midea Groupは前年より31位上昇し、第246位にランクインした。これで10年連続の選出となり、同社が単なる家電メーカーにとどまらず、世界的なテクノロジー企業へと進化していることを改めて示した。

2024年の業績は、売上高4,091億元(前年比9.5%増)、株主に帰属する純利益385億元(前年比14.3%増)と好調で、営業キャッシュフローも過去最高の605億元に達した。この成長は、中国製造業の底力を裏付けると同時に、Mideaが掲げる「成長はシンプル化によって、強靭性は再創造によって」という経営哲学を実証している。

特に注目すべきは、研究開発投資グローバル展開の両立である。過去3年間で430億元以上をR&Dに投じ、上海に開設したMidea Global Innovation Parkを中心に、世界2大研究拠点(仏山・上海)、米独日伊に広がる4つの海外拠点、さらに38のR&Dセンターを含む「2+4+N」体制を整備した。

技術面では、ヘリウムフリー超伝導MRI130℃対応の産業用ヒートポンプ、さらにAI搭載エアコン「DeepSeek AI」などを発表。知的財産でも2024年末時点で15万件以上の特許を保有し、そのうち5,000件超が発明特許という規模は、世界の家電大手の中でも群を抜いている。

さらに、ロボティクス分野では「Miro」「Mila」といったヒューマノイドロボットを実用化し、AI活用の工場運営にも成功している。海外展開では売上の40%以上を海外で獲得し、OBM事業も前年比35%増と拡大。特にラテンアメリカで空調分野No.1ブランドに認定され、欧州や北米でも地域特性に応じた製品を投入している。

Mideaは、スポーツスポンサーシップや人材育成にも積極的で、多角的にブランド価値を高めながら、次世代に対応する技術人材の育成を進めている。

今後は、ToCとToBの両輪を活かした成長を継続し、エネルギー・ロボット・ヘルスケアといった新領域を拡大することで、世界の産業構造により深い影響を与える可能性がある。Mideaは、家電メーカーの枠を超え、世界的なテクノロジー・ソリューショングループへ進化する道を歩んでいる

重要キーワードの解説

  • Fortune Global 500:世界最大級の企業ランキング。収益規模に基づいて算出され、グローバル企業の存在感を示す重要指標。
  • OBM(Own Brand Manufacturing):自社ブランドで製品を展開する戦略。Mideaはこれを加速させ、グローバル市場での直接的なブランド力強化を目指している。
  • Lighthouse Factory:デジタル化・自動化の最先端を示す工場モデル。MideaはAIを全面導入した空調分野で世界初の事例を構築し、スマート製造の象徴となっている。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

Please share!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!