Panasonicと独tado°、次世代ヒートポンプ機能を共同開発

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AQUAREA SyncとHydraulic Balancingが切り拓く、ヨーロッパ市場における新たなスタンダード

ヨーロッパではすでに2,500万台以上のヒートポンプが導入されており、エネルギー価格の高騰や環境意識の高まりから、今後さらに普及が進むと予想されています。そうした背景の中で、Panasonicとtado°が共同開発したAQUAREA SyncHydraulic Balancingは、ユーザーと設置業者双方に大きなメリットをもたらす革新的な機能です。

まず、AQUAREA Syncは既存のPanasonic AQUAREAに自動的に適用され、配管工事を必要とせずに効率を10%向上させることが可能です。さらに、短いサイクル運転を避けて機器寿命を延ばす仕組みや、部屋ごとの快適性を自動で調整する機能を備えており、導入後すぐに電気代削減と快適性の向上を実感できます。

一方、2025年11月に提供開始予定のHydraulic Balancingは、従来のようにラジエーターのバルブ交換を行う必要がありません。わずか数分で設置できるtado° Smart Radiator Thermostatsを活用し、給湯の流れを自動で最適化します。これにより、冷たいラジエーターやムラのある室温といった課題が解消され、補助金対象となるケースにも適応しやすい仕組みが整います。

Panasonicの担当者は「導入障壁の大きな一つである施工の煩雑さを取り除くことで、ヒートポンプの普及を一層後押しできる」と語っており、tado°の代表も「Panasonicとの深い技術的統合によって、これまで以上に快適性と省エネを自動で提供できる」と述べています。

この取り組みは単なる機能追加にとどまらず、両社が2024年に発表したパートナーシップをさらに深化させる新たなステージです。製品を組み合わせる段階から、共同でイノベーションを生み出す段階へ進んだことは、エアコン業界全体にとっても重要な転換点といえるでしょう。今後、ヨーロッパ市場のみならず、日本を含む世界各国に展開が広がれば、施工の容易さと省エネ性能の両立が、業界の新しい標準になる可能性があります。


重要キーワード3つの解説

AQUAREA Sync
Panasonic AQUAREA向けの専用機能で、流量温度の自動調整やスタンバイ制御により、ヒートポンプの効率を最大化する。従来の制御では難しかった「快適性と省エネの同時実現」を可能にする。

Hydraulic Balancing
暖房システム内の温水の流れを自動的に調整し、部屋ごとの温度ムラをなくす技術。本来は手間と費用がかかる作業だが、tado°のスマートサーモスタットを使うことで施工を簡略化できる。

Heat Pump Optimizer X
tado°が提供する制御システムで、複数のメーカーのヒートポンプに対応。Panasonicとの統合によって、これまで以上に細やかな効率改善と自動制御が可能になった。

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