- ASERCOMがModbus EDSを公式公開、RACHP業界の通信標準を統一
- JSON形式での記述により統合が簡易化、開発時間・コストを削減
- 柔軟な提供方法と将来を見据えた更新設計で長期的活用が可能
- 標準化により通信エラーを減らし、システム信頼性を向上
- 無償公開により業界全体での採用とスマート化を加速
統一JSON形式で相互運用性を強化、開発コストを削減しスマート化への基盤を構築
2025年4月、欧州冷凍空調部品製造者協会(ASERCOM)は、業界待望のModbus電子データシート(EDS)を正式にリリースしました。この新たな規格は、冷凍・空調・ヒートポンプ(RACHP)業界における通信標準の統一を目指すもので、今後のシステム統合やIoT対応において重要な基盤となると期待されています。
ASERCOM会長マルコ・マシーニ氏は「Modbus EDSの導入は、RACHP業界における真の相互運用性と統合性の実現に向けた大きな一歩です」とコメント。
■ JSON形式で統一された柔軟な仕様
Modbus RTU/ASCII/TCP/IPに対応したEDSは、汎用的なJSON形式で記述されており、ソフトウェアが自動処理できるため、既存システムへの迅速なデバイス統合が可能。これにより、メーカーの開発時間とコストが大幅に削減されます。
■ 将来を見据えた柔軟性と持続性
EDSは機器内・サーバ上・文書としての提供が可能で、既存機器にもファームウェア更新なしで実装可能。技術進化に伴うアップデートも継続的に行われる設計です。
■ 信頼性向上とエラー削減
統一されたパラメータや機能説明により通信エラーを最小化し、システム全体の安定性・効率が向上します。
■ スマートビル・IoTとの統合促進
この標準化は、RACHP機器のスマートビルやスマートグリッドとの連携を促進し、エネルギー効率や運用性の向上にも寄与します。
開発責任者マティアス・コルドン氏は「EDSを無償公開することで業界全体の採用を加速し、事実上の業界標準として根付かせたい」と語ります。