- 米国でR-410Aに代わる低GWP冷媒R-454Bの需要が予想を大きく上回り、供給不足が発生
- 専用シリンダーの構造が特殊で、生産能力の拡大が追いつかず価格高騰を招く
- 製造元のChemours社とシリンダー大手Worthington社が生産体制を急拡大
- 需要急増の一因はOEM各社が計画以上に早く大量生産を始めたこと
- 業界関係者は夏以降の供給改善を見込むも、現状は依然としてひっ迫状態
環境規制によるR-410A代替冷媒の切り替えで、米国冷媒業界が混乱。シリンダー不足と価格高騰が続く中、主要企業が対策に乗り出す。
2025年の初頭から、米国冷凍空調(HVAC)業界では、地球温暖化係数(GWP)が低い新冷媒「R-454B」への移行に伴い、かつてない混乱が広がっている。特に、A2L規格に対応した専用シリンダーの不足が深刻化しており、価格高騰と供給の不安定さが業界関係者を悩ませている。
この混乱の背景には、2020年に施行された「AIM法」に基づくHFC冷媒段階的削減政策がある。これにより、2025年1月以降、GWP750を超えるR-410Aの新規使用が禁止され、より環境に優しい代替冷媒であるR-454Bへの急速な切り替えが進んでいる。
Carrier、Trane、Lennoxなどの大手空調メーカーがR-454Bを採用する一方で、冷媒を収納・運搬するための専用シリンダーの供給体制が追いつかず、業界全体で需給バランスが大きく崩れている。
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