- TraneがR290スクロールコンプレッサー搭載の新型チラーARIES Nを展開
- -12℃から+25℃まで対応、幅広い用途に適応
- 過酷な気候条件(-20℃〜+48℃)下でも安定稼働
- 高効率(EER3.4以上、SEER5、SEPR HT6.4超)を実現
- Trane Symbio 800で先進的な制御・自動化が可能
R290冷媒と高度な設計による次世代型空冷チラーで、エネルギー最適化と脱炭素を推進
Trane Technologies傘下のTraneは、R290冷媒とスクロールコンプレッサーを搭載した新型空冷チラー「ARIES N」をEMEA、オーストラリア、ニュージーランド市場で発表しました。ARIES Nは、最大240kWの冷却能力を持ち、-12℃〜+25℃の出水温度に対応。製造プロセス冷却や快適空調など多様な用途に使用できます。
過酷な気温環境(-20℃〜+48℃)下でも稼働し、エネルギー効率に優れた設計で、EER3.4以上、SEER5、SEPR HT6.4超を実現。さらに、部分的な熱回収機能やSDS2E安全コンセプトを採用し、安全性と持続可能性を高めています。
制御面では、TraneのSymbio 800コントローラーを搭載し、BACnet IPやModbus TCPなどの標準プロトコルに対応。建物の自動化システムとの連携を通じ、デジタル統合・管理を支援します。
本製品は、Traneが2023年に買収したMTA社の技術を取り入れており、脱炭素と持続可能な冷暖房の提供を加速。2030年までに顧客の温室効果ガスを10億トン削減する「ギガトンチャレンジ」の一環として展開されます。
キーワード
- R290冷媒:プロパンベースの自然冷媒で、地球温暖化係数(GWP)が極めて低く、環境負荷が少ない。
- Symbio 800コントローラー:Traneが提供する高度な制御装置で、柔軟な自動化とシステム統合を実現。
- SDS2E安全コンセプト:Segregate(分離)、Detect(検出)、Stop(停止)、Signal(警報)、Extract(抽出)の5ステップによる安全対策。
その他の記事
-
EUが進める冷媒機器の販売・サービス禁止強化—輸出規制からヒートポンプ市場まで
-
Trane Technologies、BrainBox AI Labを始動 — 建物の未来を変えるAI拠点
-
ジュネーブの地下に未来がある──Trane, Infomaniakのデータセンターが「熱を捨てない」社会をつくる
-
中国、車載エアコンの冷媒にGWP150以下を義務化——2029年7月から全面施行へ
-
中国の自動車メーカーが自然冷媒を採用:EV用エアコンがCO₂とR290に進化中
-
Enex Technologies、革新的なR290間接冷却システムを発表 ~最大1MW対応の持続可能な冷凍ソリューション~
-
イギリスにおけるair-to-air heat pumpポンプの現状と展望:技術概要と政策課題
-
ZFのR290熱管理システム、EVの航続距離を最大30%向上
-
ヨーロッパの冷却システムに広がる自然冷媒:CO₂・アンモニア・プロパンの最新市場動向
-
欧州の食品小売業で進む自然冷媒の導入 ― CO₂と炭化水素が主流に