欧州のヒートポンプ需要が回復し、利益率も改善。政治的不安定さの影響を受けつつも、長期的な成長戦略に自信。
NIBE IndustrierのCEO、ゲルテリック・リンドクイスト氏は、2025年第2四半期の業績について「引き続き回復傾向にあり、先行きは明るい」とコメントしました。売上は前年同期比で100億8200万SEKと小幅な増加にとどまりましたが、営業利益は41.1%増の9億4400万SEKに拡大。営業利益率も6.7%から9.4%へ改善し、生産性向上やコスト管理が奏功しました。
事業別では、欧州のヒートポンプ市場で在庫調整が進み、ドイツやイタリアを中心に回復が進行。米国市場も安定しており、補助金制度の変更はあるものの、新たな商機の可能性も広がっています。産業用加熱部品を扱うNIBE Elementは半導体や電動化関連分野で好調を維持し、柔軟な対応力で収益を確保。一方、NIBE Stovesは欧州市場の消費者マインド低下や関税の影響で苦戦しましたが、下期には新製品やマーケティング施策により回復が期待されています。
今後について同社は、サステナビリティとエネルギー効率に重点を置いた製品ラインアップを強みに、2025年通年で各事業の過去水準に近い利益率への回復を目指しています。加えて、地域分散型の生産体制やコスト抑制策が安定基盤となり、長期的に堅調な成長を実現する見通しです。ただし、世界的な政治リスクやエネルギー価格の変動は依然として不確定要素となっています。
重要キーワード3つの解説
- ヒートポンプ市場
再生可能エネルギー転換の中心にある暖房技術で、欧州を中心に需要が回復傾向。脱化石燃料の流れと相まって長期的に成長が見込まれる。 - 営業利益率の改善
生産効率とコスト管理の徹底により、前年より大幅に利益率が向上。企業の収益体質が強化されたことを示す重要な指標。 - 地政学リスク
世界的な政治の不安定さが消費マインドや貿易環境に影響を及ぼす要因。NIBEは分散型組織と地域生産でその影響を最小化しようとしている。
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