- 英国政府がHFCの段階的廃止前倒しや新規制導入を検討
- 低GWP冷媒の普及を妨げる技術・安全課題に注目
- 可燃性冷媒への懸念が高まり、情報提供と訓練が必要
- 紙ベースの管理は規制違反リスクを高めると専門家が警告
- 業界団体は政府との連携とDX推進の必要性を強調
ネットゼロ達成に向けて業界と連携、低GWP冷媒の普及促進と安全対策が課題に
2025年5月1日、英国政府はHFC(ハイドロフルオロカーボン)などの高GWP冷媒ガスの規制を強化する可能性があると発表しました。環境・食料・農村地域省(DEFRA)のFガス政策チーム責任者ジェイコブ・アンドレセン氏が、Fガス登録制度を運営するREFCOMのイベントで明かしたものです。
政府は今年後半に業界との協議を予定しており、「フェーズアウトの前倒し」や「新たな禁止措置の導入」が検討されているとのことです。この動きは、EUと足並みを揃えつつ、英国のネットゼロ目標達成を目指す一環です。
同氏はまた、低GWP代替冷媒の普及を阻む技術的・安全面での障壁についても業界からの意見を募集しており、特に可燃性冷媒に対する懸念が高まっていることを指摘。情報提供キャンペーンや人材育成の必要性が強調されました。
業界団体BESA(建築設備サービス協会)の技術ディレクター、ケビン・モリッシー氏は「代替冷媒は最も多く寄せられる技術相談の一つ」と述べ、HFCの段階的廃止と並ぶ大きな課題だと強調しました。
また、ソフトウェア企業Joblogicのビジネスマネージャー、ヴィシャル・ベディ氏は、Fガス規制の順守が年々厳しくなる中で、紙ベースの管理を続ける企業が罰金や法的リスクにさらされていると警鐘を鳴らしました。
冷媒管理の透明性と効率向上、業界のスキルアップ、そして政策との連携が今後ますます重要になると見られます。