- RheemはR-454B冷媒不足への対応としてプレチャージ量を一時的に増加
- 対象は13.4・14.3 SEER2エアコンおよびヒートポンプ製品
- これにより標準の配管長が15フィートから30フィートに拡張
- 価格据え置きのまま、現場での追加冷媒充填を最小限に抑制
- 供給網や施工業者への影響を軽減しつつ、製品性能も維持
供給不足に対応し、施工現場での作業効率と安定稼働を確保
背景:R-454B冷媒の業界的な供給不足
HVAC業界で広く使われる新冷媒R-454Bのシリンダー供給が世界的に逼迫するなか、空調および給湯機器の大手メーカーであるRheem(米国ジョージア州)は、対策として一部製品の工場出荷時の冷媒充填量を一時的に増加すると発表しました。
対象製品は、13.4および14.3 SEER2(米国の省エネ基準)のエアコンとヒートポンプで、同社の全ブランドが含まれます。
主な変更点:配管長の拡張と追加充填の不要化
今回の施策により、従来の15フィート(約4.5m)までの配管マッチングが、最大30フィート(約9m)・3/8インチ液配管にまで対応可能となります。これにより、現場での追加冷媒充填の必要性が大幅に減少し、施工効率が向上することが期待されます。
なお、この増量による製品価格の変更は一切ないと明言されています。
公式コメントと業界へのメッセージ
Rheem US Air Divisionのシニアバイスプレジデント、ケビン・ルッペルト氏は次のようにコメントしています。
「私たちは常に流通・施工パートナーを中心に意思決定をしています。今回の措置も、冷媒不足という業界の課題に対応し、業務への影響を最小限に抑えるためのものです。」
まとめ:一時措置ながら高評価の対応
Rheemは、冷媒の安全性・性能・規制準拠を継続しつつ、業界の課題に迅速かつ柔軟に対応しています。今回のプレチャージ量の一時的増加は、販売店や施工業者にとっては大きな負担軽減となり、顧客満足にも直結する実務的な対応として評価されそうです。
今後の冷媒供給動向によっては、同様の動きが他メーカーにも波及する可能性があります。