- 新冷媒R-1234zeを採用し、最大90℃の高温出湯が可能に
- 産業プロセスや地域暖房など高温ニーズに対応
- 高効率、省スペース、信頼性の高い機能を兼備
ダイキン、環境負荷を抑えた産業用加熱の脱炭素化を推進
2025年5月、イタリア・チェッキーナにて、ダイキンはVZシリーズの最新モデル「EWWH-VZ」に新たな高温仕様を追加したと発表しました。新モデルは低GWP冷媒「R-1234ze」を採用し、最大90℃の高温出湯を実現。産業プロセスや地域暖房ネットワークといった高温を必要とする用途に対応します。
この水冷式インバーターチラー兼ヒートポンプは、400〜1900kWの冷暖房能力を持ち、フルインバーター技術により省エネ性と運用柔軟性を両立。ノックダウン型の電装盤により狭いスペースへの設置も容易です。
コンプレッサーにはVVR(可変容積比)技術付きのシングルスクリュー圧縮機を搭載し、運転状況に応じて自動的に圧縮効率を最適化。さらに、iCM(インテリジェント・チラー・マネージャー)により、複数台の統合制御も実現します。
停電時には自動切替スイッチ(ATS)により電源のバックアップも可能。さらに、Daikin on Site(DoS)という遠隔監視サービスにより、24時間体制での運用最適化と迅速な保守対応が可能です。
証明された性能を重視する顧客には、目視立会試験(FAT)による動作確認やカスタマイズ対応も行っており、製薬工場や研究施設(例:CERN)への納入実績もあります。
今後の展開とインパクト
本製品は欧州の脱炭素化目標を支える高温ヒートポンプ市場において、重要な役割を果たすことが期待されます。従来の化石燃料ボイラーを代替することで、CO₂排出削減に貢献。省スペース性とメンテナンス性に優れた設計により、新築・改修問わず幅広い施設への導入が可能となり、今後さらに需要の拡大が見込まれます。
重要キーワード3つの解説
- R-1234ze:地球温暖化係数(GWP)が極めて低い新世代冷媒。フロン代替品として注目。
- VVR(Variable Volume Ratio)技術:圧縮機の容積比を自動調整し、運転効率を最大化する仕組み。
- DoS(Daikin on Site):稼働状況をリアルタイムで把握し、遠隔で最適化・保守を行うWebベースのサービス。
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