5州で1,000人の新規雇用を創出、120年の伝統を未来へつなぐ製造革新
2025年8月13日、ケンタッキー州ルイビル――GEアプライアンス(ハイアールグループ)は、今後5年間で30億ドル超を米国内製造拠点に投資する計画を発表しました。空調・給湯製品の拡大や全11工場の最新化を進め、1,000人の新規雇用を生み出す見通しです。
この投資は、同社の歴史上2番目の規模であり、米国の家電産業においても最大級。1950年代にルイビルに建設された「アプライアンスパーク」に次ぐものとなります。CEOのケビン・ノーラン氏は、「私たちは工場、人材、地域社会への投資を通じて製造業の未来を定義していく」と語り、米国製造業への揺るぎないコミットメントを強調しました。
投資の主な内容
- サウスカロライナ州カムデン工場:電気式やハイブリッド型の新給湯器を追加生産し、出荷量と雇用を倍増(2026年初頭に実施)。
- テネシー州セルマー工場:2025年12月より、2トンタイプのVertical Zoneline®エアコンを生産開始。
- ジョージア州ラファイエット工場:従来の電気製品中心からガスやIHレンジへ拡張。メキシコで生産していたガスレンジを米国内で再生産。
- アラバマ州デケーター工場:冷蔵庫の6モデルを内製化、8月末までに増産へ。
- ケンタッキー州ルイビル本社工場:既に発表済みの4億9,000万ドル投資で洗濯乾燥一体型機や前開き洗濯機の新生産ラインを整備し、800人の雇用を創出。
人材投資と地域社会への貢献
GEアプライアンスは2016年以来、4,000人以上の新規雇用を創出。今回の計画でさらに1,000人を追加予定です。同社は「人が製造業の再興を支える中心」と位置づけ、大学や高校との連携による技能育成、柔軟な勤務形態(週4日勤務やパートタイム)、交通支援や無償の診療所など、ユニークな制度を展開しています。
また、災害対応ソリューションにも注力。ウォーターステップや赤十字と提携し、浄水トレーラーや移動式ランドリーユニットを開発。災害現場で清潔な水や洗濯環境を提供し、被災地の生活再建を支援します。
同社の2024年経済インパクトレポートによれば、GEアプライアンスは米国GDPに年間300億ドルを貢献し、11万3,000人超の雇用を直接・間接に支えています。今回の投資は、地域経済の強化とともに米国製造業の競争力向上にも直結すると見込まれます。
重要キーワード3つの解説
- Zoneline®エアコン:ホテルや集合住宅向けのユニット式空調機。今回の増産で需要の高まりに対応。
- アプライアンスパーク:1950年代に建設されたルイビル本社工場群。米国家電製造の象徴的存在。
- 人材育成プログラム:FAMEを含む実習制度や柔軟な働き方を推進。人材不足が課題の米国製造業における先進的モデル。