- 健康志向とサステナビリティの高まりによりIAQ(室内空気質)が注目
- IAQセンサーがスマートビルの標準技術に
- VOCやCO2などの汚染物質をリアルタイムで監視
- エネルギー効率改善や規制対応、テナント維持に貢献
- 将来はAIと連携し予測型メンテナンスにも対応予定
テナント満足度と建物価値を左右する「空気」の見える化が進化中
健康や生産性、持続可能性への関心が高まる中、商業不動産では快適な屋内環境の維持が重要視されています。特に、室内空気質(IAQ)は従業員や来訪者の健康に大きな影響を与え、業務効率や企業のイメージにも直結します。
このような背景から、IoTを活用したスマートビルディング技術の一環として、室内空気質センサー(IAQセンサー)の導入が進んでいます。センサーはCO2やVOC(揮発性有機化合物)、PM2.5、温湿度、COなどを常時測定し、リアルタイムで空気の状態を把握できます。
空気質が悪化した場合には即座に警告を出し、換気やフィルター強化などの対策を促します。これにより、健康リスクを回避しながらHVAC(空調)システムの効率運用も可能に。エネルギー消費を最適化し、設備寿命の延長や運用コスト削減にも貢献します。
また、LEEDなどの環境認証取得を目指す際にも、IAQセンサーの導入は重要な加点要素となります。テナントにとっても「空気の見える化」は安心材料となり、物件選定の決め手となることも少なくありません。
今後はAIとの連携による予測型管理や、テナント向けアプリでの可視化など、さらなる進化が期待されます。もはやIAQは「快適さのオプション」ではなく、「建物の品質と価値を左右する必須要素」です。
キーワード
IAQ(Indoor Air Quality)
室内空気質の略。二酸化炭素、PM2.5、VOCなどの濃度を示す指標で、人の健康や快適性に直結します。
IAQセンサー
空気中の有害物質や環境パラメーターを計測するデバイス。リアルタイム監視で建物管理を支援します。
スマートビルディング
IoTやAIを用いて設備の制御・管理を自動化した建築物。空調や照明の最適化によってエネルギー効率と快適性を向上させます。