産業ファンの専門技術とインド市場への展開力を獲得
2025年7月9日、スウェーデンの空調機器メーカーSystemair社は、インドのNADI Airtechnics Ltd.を買収する契約を締結したと発表しました。NADIは高性能な遠心ブロワー、軸流ファン、鉄道冷却ファン、環境対応用途の送風機を製造する企業で、本社および製造拠点はチェンナイにあります。
NADIは従業員220人以上を擁し、2024/25年度の売上は約1,350万ユーロ(約13億5千万円)で、Systemairの目標EBITマージン10%を上回る収益性を達成しています。
SystemairのCEOローランド・カスパー氏は、「この買収により、産業用ファン分野での技術と製品ラインを強化できる。特に、インド市場での鉄道分野においてリーダー的地位を獲得することができる」と述べています。また、NADIの小型軸流ファンは、Systemairのインフラプロジェクト向け製品を補完する競争力のあるラインアップとされています。
NADIの創業家であるカムダール一家のJ.B.カムダール氏は、「Systemairは品質、顧客志向、誠実さという価値観を共有しており、社員と顧客にとって継続的な安心をもたらすパートナーです」とコメント。
買収の完了はSystemairの第2四半期中に予定されています。
重要キーワード3つの解説
- 産業用ファン:工場や鉄道などで使われる大型送風機。耐久性や性能が重視される。
- EBITマージン:営業利益率のこと。収益性を測る重要な指標で、企業の経営効率を示す。
- インド市場拡大:高成長が期待されるインド市場において、現地企業を通じて存在感を強める戦略。