製品メーカーとは異なる「サービス統合型プラットフォーム」として、商業用空調・エネルギー分野に新勢力
米国の投資会社 Percheron Capital は、オハイオ州シンシナティを拠点とする商業用空調サービス企業 Enervise を買収し、新たな全国規模のサービスプラットフォーム Solidaire HVAC & Energy Solutions(Solidaire) を立ち上げました。本社はジョージア州アトランタに置かれ、商業施設向けに HVAC、配管、電気、冷凍、制御システムの保守・サービスを提供していきます。
この取り組みは、空調機器メーカーが製品の設計・製造を軸にしているのに対し、Solidaire が導入後の長期的なメンテナンスやサービスを担う点で特徴があります。メーカーとの直接的な比較はされていないものの、製品メーカー中心の市場構造とは異なるプレイヤーとして位置づけられます。
CEOには業界経験豊富な Katrina Liddell 氏が就任し、人材・技術・インフラへの投資を通じてサービス品質と顧客体験を高める方針です。Enervise のオーナー Tom Winstel 氏も、「既存顧客へのサービスをより良く提供し、新市場への拡大と成長を加速できる」とコメントしています。
Percheron の共同創業者 Chris Lawler 氏は「HVACは商業施設に不可欠で需要が安定しており、成長の余地が大きい」と述べ、地域ごとに分散していたサービス会社を統合し、全米規模での拡大を見据えています。
この動きは、米国のHVAC市場で従来の製品メーカー中心の勢力に加え、サービスプラットフォーム型の新たな大規模事業者が台頭していることを示しています。
重要キーワードの解説
Solidaire HVAC & Energy Solutions
Percheron Capitalが設立した全米規模のサービス統合プラットフォーム。メーカー機器を含めて運用・保守を担う。
HVACメーカー との違い
製品メーカーは機器を提供する立場。一方、Solidaireは「サービス会社」として設備を運用・管理する立場で、競合というより補完的存在。