新しい規制で気候を守り、クリーンな冷房技術を推進。
2025年7月1日から、オーストラリアはエアコンの輸入・販売に関する厳しい新規制を導入します。政府は、地球温暖化係数(GWP)が750を超えるHFC(ハイドロフルオロカーボン)を使用する小型マルチヘッド式エアコンを禁止することを決定しました。HFCは強力な温室効果ガスであり、その削減は気候変動を抑えるための重要な一歩です。
この決定は、すでにポータブル型やシングルヘッド型、壁掛け型の禁止措置に基づいています。今回の規制は、マルチヘッド式エアコンの屋外ユニットや可変冷媒流量システムも対象となります。冷暖房用途で、冷媒量が2.6kg以下、かつ高GWP冷媒を使用する場合は、未充填で輸入されても禁止対象です。
この法律は1989年オゾン層保護・合成温室効果ガス管理法に基づき、モントリオール議定書に沿ってオーストラリアが国際的な義務を果たすためのものです。これにより、古い気候破壊型システムを排除し、R32(GWP 675)やR-290(プロパン)といった安全な代替冷媒の利用が進むと期待されています。
政府は企業と協力し、規制への理解を深める支援を行い、違反を防ぐ体制を整えています。正しい許可なく規制物質を輸出入した場合、罰金、ライセンス停止、警告などの処分を受ける可能性があります。
今後、この規制は世界の空調産業に持続可能な技術への転換を促す可能性があります。オーストラリアは環境基準で先進的な国であるため、この決定が他国にも影響を与え、気候保護・エネルギー効率・環境責任の面で広範なインパクトをもたらすかもしれません。
重要キーワードの解説
- 地球温暖化係数(GWP): 温室効果ガスが二酸化炭素と比べてどれくらい熱を大気に閉じ込めるかを示す指標。数値が高いほど有害。
- HFC(ハイドロフルオロカーボン): 冷却システムに使われる人工ガス。オゾン層は破壊しないが、強力な温室効果ガス。
- モントリオール議定書: オゾン層を守り、有害排出を削減するために多くの国が署名した国際条約。