- 欧州冷凍空調規格「EN 378」の改訂案が2025年7月3日より一般意見募集に入ります。
- 新たな冷媒対応や安全基準の見直しが含まれる重要な改訂内容です。
- 各国の関係者は自国の標準化団体を通じて意見を提出できます。
冷媒業界に影響大、誰でも参加できる意見募集がスタート
欧州の冷凍・空調・ヒートポンプ業界で広く使用されているEN 378:2016が、大きな改訂に向けて動き出しました。この規格は、設計・施工・運用に関する安全・環境基準を定めており、2025年7月3日から9月25日まで改訂案の一般意見募集(パブリック・エンクワイアリ)が行われます。
主な改訂点は以下の通りです:
- 可燃性冷媒の充填量制限の算定方法が大きく見直されます。
- 現在の第1部附属書Eが独立して新たな第5部となり、冷媒情報の更新が柔軟になります。
- 第4部はISO規格に置き換わり、EN ISO 5149-4として採用予定です(技術内容は変更なし)。
このプロセスにおいて、各国の標準化団体を通じて個人でも意見を提出できます。改訂案が承認されれば、2026年にEN 378:2026として発行され、現行規格(2016年版)は廃止されます。この改訂は、将来的にCEマーキングやISO規格との整合性にも影響を及ぼす可能性がある重要な動きです。
今後の展開とインパクト この改訂が正式採用されれば、新冷媒の導入や施工現場の安全対策の指針が変わり、欧州全体の冷凍空調業界に大きな影響を与えると見込まれます。特に、環境配慮型冷媒への移行を進める企業にとっては、実務対応の見直しが必要になる可能性があります。
キーワード
- EN 378:欧州で広く使われている冷凍・空調・ヒートポンプシステムの安全・環境規格。
- パブリック・エンクワイアリ(Public Enquiry):CENが行う改訂案に対する一般意見募集の期間。
- 可燃性冷媒:安全対策が必要な冷媒であり、今回の改訂では充填制限の新しい算定基準が導入されます。