ASEAN、「クール・イニシアチブ」第2回地域ワークショップ開催

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省エネ型エアコン導入と環境配慮型冷媒普及へ

2025年6月10日から11日にかけて、ASEANクール・イニシアチブ第2回地域ワークショップがフィリピン・マカティ市で開催されました。主催はASEANエネルギーセンター(ACE)と国連環境計画(UNEP-U4E)、フィリピンのエネルギー省(DOE)がホストを務めました。参加者はASEAN加盟8か国(カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)に加え、国際機関や研究機関も加わり、冷房分野の最新動向と政策協力について議論しました。

省エネ基準の強化と協力体制

今回の会議では、ルームエアコンの最低エネルギー性能基準(MEPS)をCSPF 6.09に引き上げるというASEANの政策ロードマップ達成に向け、各国の進捗状況や課題を共有しました。また、試験・認証に関する相互承認協定(MRA)や、監視・検証・執行(MVE)の取り組み強化も議論され、地域全体での協調が重要であることが確認されました。

各国代表は、自国のラベリング制度や市場整備について報告。特にマレーシアは新しいエネルギー効率法に基づく段階的な基準強化を紹介し、シンガポールは継続的な政策更新とオンライン市場の監視体制を強調しました。

技術と現場を体験するセッション

参加者はDOEのエネルギー研究・試験所を視察し、国際規格に準拠した空調機の性能試験施設を見学しました。実際の検証設備を目の当たりにすることで、理論的な議論だけでは得られない理解を深め、地域内での信頼性あるデータ共有や制度整備の重要性を再認識しました。

グローバルな取り組みと次の展開

会議後半では、UNEP-U4Eやバークレー研究所、GIZなどの国際機関が、低GWP冷媒の導入や**グリーン公共調達(GPP)**の推進について提案。ACEからは、エネルギー効率を公共調達に組み込むための新しい基準ツールが紹介されました。これにより、ASEAN各国の市場でより環境負荷の少ない製品を普及させる道筋が示されました。

今後のインパクト

今回のワークショップは、ASEANエネルギー協力行動計画(APAEC)2021-2025の重要な節目となりました。議論を通じて、2025年以降の新たなロードマップ策定や、地域全体での製品登録制度の構築に向けた合意形成が進みました。これにより、ASEANは世界的な気候目標への貢献と同時に、自らの冷房市場をより持続可能で競争力のあるものへと変革していくことが期待されます。


重要キーワード解説

  • MEPS(Minimum Energy Performance Standards):最低エネルギー性能基準。電化製品が一定以上の効率を満たすよう義務付ける制度。
  • MRA(Mutual Recognition Agreement):試験や認証の結果を各国で相互承認する仕組み。効率的な貿易と標準化を進めるために重要。
  • 低GWP冷媒:地球温暖化係数(GWP)が低い冷媒。従来のフロン類に代わり、環境負荷を抑える技術として注目されている。

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